一般歯科

むし歯や歯周病を扱う身近な歯科治療

一般歯科とは、むし歯や歯周病などの一般的な口腔疾患の予防、診断、治療を行う歯科の分野です。
むし歯の治療、詰め物や被せ物の装着、除去、歯周病の治療などが一般歯科の主な業務です。
そういった意味で最も身近な分野であり、一般歯科を通じて
歯科医師は患者様の口腔健康を維持し、適切な治療を提供してお口の健康をサポートします。

むし歯治療

段階別のむし歯治療で、歯の治療と予防を行い
健康な笑顔を取り戻しましょう

むし歯とは、糖分を摂取した後、口腔内の細菌がその糖分をエネルギー源として利用し、酸を産生することで歯を侵食する病気です。
むし歯ができたあとも放置されると、痛みや歯の機能低下だけでなく、歯周病や全身疾患のリスクも高まります。
むし歯が発生した場合は早めの治療と予防が、歯を健康に保ち、全身の健康を維持するために不可欠です。

むし歯の原因とは

歯垢(プラーク)に含まれる細菌(ミュータンス菌)は糖分やタンパク質を分解します。これがむし歯の原因です。それによって排出される酸などが、歯のエナメル質やカルシウム、リンなどの成分を溶かしてむし歯を作ります。

歯みがきをしていなかったり、甘いものをたくさん食べているのにむし歯がない人は、もともと持っている細菌の量が少なかったり、溶け出したカルシウムやリンなどの成分を元に戻してくれる働きを持つ「だ液」の力が強い人です。

むし歯の原因となる3つの要素

むし歯は、以下の3つの要素が原因であると言われています。

歯質

歯質は一人ひとり異なり、むし歯になりやすいかどうかを左右します。歯質を強化するためには、歯の再石灰化を促進するフッ化物を利用したり、だ液の分泌を促進するためによく噛んだりすることが効果的です。

細菌

キシリトールやフッ化物には、むし歯の原因となる細菌の活動を抑える働きがあります。これらを活用したり、歯科医院でのメインテナンスで歯垢(プラーク)を除去しましょう。

糖分

糖分の多い間食が増えると、口の中が酸性になり、むし歯になりやすい状態になります。間食を控えたり、糖分の少ないおやつを選んだり、バランスのとれた食生活を送ることを心がけましょう。

むし歯の進行度合い

C1

初期のむし歯

歯の表面はエナメル質で覆われており、むし歯はまずエナメル質に発生します。エナメル質がむし歯になると、光沢がなくなり白っぽくザラザラした感じになります。むし歯は上の歯と下の歯の噛み合せの部分や、歯と歯の間などに発生しやすく、この段階ではまだほとんど痛みはありません。

C2

歯の内部まで進行したむし歯

エナメル質の内側には象牙質がありますが、むし歯が象牙質まで進むとむし歯の部分が黒く見え、冷たいものや熱いものを食べた時に歯が痛むことがあります。

C3

神経まで進行したむし歯

象牙質の内側には、神経や血管が密集した歯髄があります。むし歯がさらに進行して歯の神経までむし歯菌に感染してしまうと歯髄炎となり、歯がひどく痛みだします。こうなると、むし歯になった部分の歯を削るだけでなく、歯髄まで取らなくてはなりません。この段階まで進むと治療が終わるまで時間がかかるうえ、歯髄を取ると歯がもろくなってしまいます。

C4

歯の根(歯質)が失われた歯

むし歯によって歯の上の部分がほとんど溶けてしまい、歯の根に当たる歯根までむし歯が進行した状態を残根といいます。このような歯の根だけ残った部分の先端、すなわち歯槽骨(しそうこつ)の中に膿の袋ができることがあります。この膿の袋が炎症し腫れてきます。ここまで進むと歯を抜かざるをえなくなる場合が多くなります。

当院で行うむし歯治療

詰め物・被せ物の治療について

むし歯箇所の切削後には詰め物・被せ物治療を行っていきます。
近年では、むし歯治療後だけでなく、審美的な意味でも「美しくて白い歯」に対する関心が高まっています。歯の並びを整えるだけでなく、歯の本来の機能を考慮した治療を行っています。あなたをより美しく、より魅力的に演出するお手伝いをさせていただきます。お気軽にご相談ください。

審美歯科

重度のむし歯への治療について

重度のむし歯は神経まで進行してしまい、痛みや腫れを引き起こしたり、最悪抜歯のリスクも出てくる可能性があります。
根管治療は、神経を取り除き感染を根絶し、できる限り歯を残すための治療法です。歯を抜かずに済むため、咬合や口の機能を保つことができます。初回の治療が重要で、症状が進行する前に精密な治療ができる歯科医院選びが大切です。当院では精密機器を取り入れた「精密根管治療」を行っています。

精密根管治療

歯周病治療

歯周病治療で口もとの健康を守り、
全身の健康もサポートしていきます

歯周病は、歯と歯ぐきを支える組織である歯周組織の炎症性疾患のことです。
歯周病は歯垢(プラーク)によって引き起こされる細菌感染が原因で発症します。
歯周病の段階には歯肉炎(歯ぐきの炎症)や歯周炎(歯ぐきや歯槽骨の炎症)などがあり、
重度まで進行すると歯を支える組織が破壊され、歯が抜ける原因となることもあります。

歯周病が全身に与える悪影響

歯周病は、全身の健康にも大きな影響を及ぼす可能性があります。歯周病菌は、歯ぐきの毛細血管などから体内に侵入し、強い毒素を放出しながら全身を巡ります。その結果、動脈硬化に伴う心筋梗塞などの心臓病や、糖尿病の発症・進行との関連性が指摘されています。

関連が懸念される全身疾患

Point.01狭心症・心筋梗塞
動脈硬化は、血管壁にコレステロールなどが蓄積し、血液の通り道が狭くなる状態です。これが心臓の血管で起こると、狭心症や心筋梗塞といった命に関わる病気を引き起こすリスクが高まります。そして、最近の研究では、歯周病菌などの細菌感染が動脈硬化を悪化させる重要な要因として考えられているのです。歯周病菌は、歯ぐきの炎症部分から血管内に入り込み、血管壁にプラーク(粥状の脂肪性沈着物)を形成しやすくなります。
Point.02糖尿病
糖尿病と歯周病は双方向の関係があります。歯周病の炎症が全身に影響を及ぼし、インスリンの効果を低下させることがあり、血糖値のコントロールを難しくします。糖尿病は免疫機能を低下させ、口腔内の細菌感染に対する耐性を弱めるため、歯周病にかかりやすくなります。糖尿病と歯周病の関係は非常に重要であり、糖尿病患者は口腔衛生に特に注意を払う必要があります。
Point.03早産・低体重児出産
歯周病の炎症や細菌が全身に影響を及ぼし、妊娠を誘発したり、早産による胎児の成長や発達に悪影響を与える可能性もあります。妊娠中の口腔衛生管理はとくに大切で、妊娠が分かった時点からの歯周病治療や歯科検診を怠らないこと、妊娠期中、体調との兼ね合いでお口のケアがおろそかになりがちです。
そのため、できる限り適切なケアを行うことで、早産や低体重児出産のリスクを軽減することができます。
Point.04誤嚥性肺炎
誤嚥性肺炎とは、口腔内の細菌や炎症が喉を通り過ぎて肺に到達し、肺炎を引き起こす病態です。歯周病が進行していると、口腔内の細菌数が増加し、口腔内からの微小な飛沫や唾液によって肺に細菌が侵入することで誤嚥性肺炎が発症する可能性があります。

当院で行う歯周病治療

歯周基本治療

歯周基本治療は、歯周病の初期段階で行われる基本的な治療方法です。歯石や歯垢を歯科医師や歯科衛生士が専用の器具を用いて丁寧に取り除く「歯石除去」や適切な歯磨きや歯間清掃の方法を指導し、日常的な口腔衛生の重要性を伝える「ブラッシング指導」などが含まれています。
歯周基本治療を通じて、歯周病の進行を抑制し、口腔内の健康を保つことが目的です。

歯周外科治療

歯周外科治療は、歯周病が進行し、歯ぐきや歯槽骨に深刻な損傷が生じた場合に行われます。手術を伴うこともあり、歯周ポケットの浅いクリーニングや歯石除去だけでは改善できない状況で適用されます。治療方法として、歯周組織の再生手術や歯肉再形成手術などがあり、専門的な知識と技術を持つ歯周外科専門医によって実施されます。治療後は、適切なケアや定期的なフォローアップが必要です。

マイクロスコープで行う精密治療

早期発見・早期治療開始がポイント

初期の歯周病は症状が軽微で自覚症状が少ないため、気付かずに放置してしまうことがあります。しかし、歯周病が進行すると歯を支える組織が破壊され、歯を失う可能性が高まります。早期に歯周病を発見し、適切な治療を開始することで症状の進行を抑えることができます。定期的な歯科検診や適切な口腔ケアを行うことで、早期発見・早期治療を実現し、歯周病の進行を防ぐことが重要です。

予防歯科